ロックなお姉さん〜弁才天様の場合〜
夢を見た。
ぶ厚いステーキを前に相方は眠っている。
シェフがどうぞと差し出すので、眠っている相方を横目にステーキを食べた。
「美味しい」
やわらかいのに、サクサクと歯応えがあり、とても甘い。
ピンヒョーン
こもったような、ヒョーン少し変わったベルの音が鳴った。
「そういえば、配達を頼んでいたんだ。でも、、、少し変ね。時間指定したはずなんだけど、、」
私がそう言うと、シェフが、
「そうですね。あれは違いますね。もう少し待ちましょうか」
不思議な気持ちでシェフを見る。
顔色ひとつ変えず、ニコニコとこちらを見ていた。
すぐに、そのことも忘れ、
ふと、窓の外に目をやる。
しとしとと雨が降り、お寺が見える。
オンパラデソワカ?
私はうまく聞き取れない「真言」に一生懸命、耳を傾けた。
「んーー?」
ここでまたベルが鳴り、私は現実に戻された。
夢から覚めたのだ。
夢占いの本を開き、肉・お寺・食べる・と調べる。
ケータイを開き、真言を調べた。
ピタリとハマるものが見つからないので、
一つずつ唱えながら、夢の中で聞いた音を思い出す。
・・オンソラソバテイエイソワカ・・
「これだ!」
どの神様かと確かめると
「弁才天」である。
「え?」
と一旦ケータイを閉じる。
ホーム画面の見慣れた絵を見直す。
あなたでしたか?
もちろん答えてくれる訳でもないので、
カードの解説を開きメッセージを頂く。
「考えるな!感じろ!そして楽しめ!」
あ、そうだロックなお姉さんだった。
そんな感じで始まる朝でした。
オチがなくてすんません。
その日のうちに、近所の弁才天をお祀りしている神社に伺う。
「!!!!!」
「ない!」
「違う!建て替え中なのか」
基礎が丸出しになり、
今までのモッサリとした雰囲気がなくなり清々しい。
もちろん、今ここに神様はいらっしゃらないのだろうけど、小躍りするレベルのワクワク感が伝わってくる。
隣にある看板を眺めてわかったことは、
どうやら新築のお祝いをして欲しいとのことだな。
よし、近いうちに持っていきます!