高野山(肖像編)
まだ、頭の中は混乱していた。
が、
辺りを見渡せば、
たくさんの観光客であふれていた。
地下に降りる。
ガヤガヤと楽しそうな声や
今日のお大師様のご飯は何かなんて、
一瞬、自分が考えていたことが
気のせいなんじゃないかと疑った。
この世界も私のつくった世界で、
なんなら、今 創造している世界で、
こうならないバージョンのあったのか?
私だけではない。
ここにいる人、みんなに世界があるのだ。
ちょっと
人と距離を保ち
自分の感覚を優先させる。
思考の整理をしていたら
思ったより、早くついてしまった。
何度も来ているはずだが、
やはり、なんか怖い。
大きな五鈷杵があり、
その奥に弘法大師の肖像がある
その姿は、見える時と見えない時があるらしく
訪れた方たちが、一番盛り上がるパワースポットである。
ガイドのおじさんが説明をしている。
ガイドのおじさんも、弘法大師が生きているとは言えないが、今も肖像の奥で弘法大師が祈り続けていると説明しているものの、誰も聞いていない。
見えるか?見えないかで盛り上がっている。
近くには行けそうにないので、
少し離れた所から、
その奥を見てみた。
ハッとする。
あ、、、そうなのか。
そうなんだ。
少し笑ってしまった。
ガイドのおじさんも何故か少し笑いながら、
「今日はよく見えていると思います」
と言った。
そうだろう と思った。
なんだかおかしくなってきた。
同時にワクワクしてきた。
やっぱり空海は生きている。
すごいな高野山。
生き続けているんだ。